偽りのキス

「よかった…蒼汰が一緒に来てくれて」

乙が言った




「うん」


乙が喜んでくれてよかった



外に出ると寒かった




「一緒に来てくれてありがとう
時間あったら、ファミレス行かない?
着いてきてもらったお礼」




「お礼とか、別に…いいよ
オレ、マフラーもらったし」




「うん、清田くんのだけどね
…じゃあ、もぉ、帰ろっか…」


帰ろっか…


乙、もう少し…




「乙、腹減ってないの?
オレ、なんか食べたいな…
乙が良ければ、ファミレス寄って行こう」




たぶん、乙ともう少しいたかった…




「うん、私も行きたい」


乙が笑顔になった




一緒にいるくらいは
いいよな…



オレは自分に問いかけた






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