偽りのキス
「また、ぼっち?」
「うん…」
蒼汰は私の隣に座った
狭くて近かった
膝と膝が触れた
「今日は、からあげないや…」
「うん、今日はオレも
からあげ入ってたから、大丈夫」
この間、手を繋がれたことを思い出して
少しドキドキした
「あ、飲み物忘れた…」
ペットボトルを教室に忘れて来た
「オレの飲む?」
蒼汰から
ストレートティーのペットボトルを渡された
「あ、うん…ありがとう」
私は、蒼汰のペットボトルに口を付けた
胸の音が大きくなった
こんなことでもドキドキしてしまう
蒼汰に気付かれたくない
冷たいストレートティーが
身体の中に流れていくのがわかった