偽りのキス

「おじゃまします」




初めて蒼汰の部屋に入った


男の子の部屋に入るのは初めてだった




お母さん、いないのかな…




「ハイ」

蒼汰がお茶とアイスを持ってきた




「ありがとう」



なんか、緊張する…




「夏休み、友達とどこか行く?」

私はアイスを食べながら聞いた




「うん、海行くかも」



「へー、いいね…楽しそう」



「乙は?どっか行く?」



「まだ予定ないけど映画とか見に行きたいな…」



「あ、オレも見たい映画あるんだ
一緒に行く?」



蒼汰の言葉が
信じられないくらい嬉しかった



「うん、行きたい」



「いつにする?」




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