偽りのキス

夕方、コンビニに行く時
綾ちゃんとエレベーターですれ違った


「蒼ちゃん!」


隣りにアイツがいた




「綾ちゃん、あとで部屋行ってもいい?
宿題教えてほしい」



オレはアイツを無視して綾ちゃんに話しかけた




「んー、今日は、ダメかな…
明日ならいいよ!」



「そっか…じゃあ、いいや…
綾ちゃんも受験だもんね
忙しいよね…
邪魔してごめん…」



「ごめんね…」



綾ちゃんはそう言うと
アイツに手を絡めてエレベーターに乗った




オレの背中で
エレベーターの閉まる音が聞こえた



無償に寂しくなった…




< 66 / 204 >

この作品をシェア

pagetop