偽りのキス
夕方、コンビニに行く時
綾ちゃんとエレベーターですれ違った
「蒼ちゃん!」
隣りにアイツがいた
「綾ちゃん、あとで部屋行ってもいい?
宿題教えてほしい」
オレはアイツを無視して綾ちゃんに話しかけた
「んー、今日は、ダメかな…
明日ならいいよ!」
「そっか…じゃあ、いいや…
綾ちゃんも受験だもんね
忙しいよね…
邪魔してごめん…」
「ごめんね…」
綾ちゃんはそう言うと
アイツに手を絡めてエレベーターに乗った
オレの背中で
エレベーターの閉まる音が聞こえた
無償に寂しくなった…