ボクの『妹』~アイドルHinataの恋愛事情【4】~
ボクの「妹」
Prologue
ボクは、一人っ子だ。
とはいっても、物心ついたころから友達は多かったし、両親がわりと若くてまだ子供っぽい部分を持っていたせいか、ボクは彼らを『両親』というよりは『兄姉』のように見ていたこともあって、自分が一人っ子であるということを気にしたことは一度もない。
だけど、あいつに初めて会ったときには、正直、『妹』っていいなぁ……と思った。
『あいつ』っていうのは、もちろん、ボクと同じHinataの高橋の妹の、奈々子のことなんだけど。
……あ、言い忘れてたけど、ボクの名前は、中川盟っていうんだ。
アイドルグループ『Hinata』の、司会進行役というか、しゃべり担当かな。
ぶっちゃけ、歌もダンスも演技もあまり得意な方ではないから、そっちの方は他の二人にまかせて、ボクはボクのできることを頑張ってる、と言った方がいいかもしれない。
そんなボクが、あいつに出会ってから13年後のある日行われた友人の結婚パーティーの二次会で、あいつに久しぶりに再会するところから、このお話は始まるんだけど。
ボクはよく、思い出話の途中で、タイムスリップしたような感じになっちゃうから、ちゃんと話についてきてね。