からふる。~第26話~
結局俺は緋彩に何も言えないままお別れした。


俺の真っ白な心を真っ赤に染め上げてくれたのは、いつだって緋彩だった。


俺の心の中心にはまだ緋彩がいる。


だから俺はこうして生きてきたんだ。


きっといつかまた出会える。


そう信じて。



「澪、大丈夫か?ぼーっとしちゃってさぁ。もしや眠いのか?」


「炭水化物は急激に血糖値を上げ、急降下します。これを血糖値スパイクと言いまして、それに伴い眠気も襲ってきます。それは大変危険だと言われております」


緑川は物知りだな。


緑川の知識量には感服だ。



「そっか。なら、そろそろ食べるの止めようかな。明日も明後日も食べれるように取っておこう」


「じゃ、お茶でも飲みながら今後の進路の話し合いを致しますか」


「そうだな」


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