からふる。~第26話~
パーティーがお開きになった後、紗彩ちゃんと紫雄、凜がキッチンでせっさと片付けを行っていた。



「皆、今日はありがとう」


「いえ、澪先輩が喜んで下さったのなら感無量です」


「感無量ぉ、感無量ぉ!」


「明日はお友達との誕生日パーティー楽しんで来て下さいね」


「うん、ありがと」



いい後輩に巡りあえて良かったと改めて感じた。


だけど1人、ちょっと心配なやつがいる。



「そう言えば黒ちゃんまだかなぁ?もう8時過ぎたよぉ」


「玲央はいつもそうだ。気にすることない」


「ま、そっか」



紫雄と凜はそんな感じでさらっと受け流したが、俺は紗彩ちゃんの顔が強ばったのを見逃さなかった。


紗彩ちゃんは玲央のことが好きなのかどうか分からない。


だけど誰よりも彼を気にしているのは一目見れば分かる。


玲央、俺はいいけど紗彩ちゃんを心配させちゃダメだよ。


もう何も失いたくないなら、玲央が大事なものを繋ぎ止めないと。


俺みたいに回り道をしないように、早く...。


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