からふる。~第26話~
玲央が帰ってきたのは、11時過ぎだった。
俺は風呂に入ってからずっと食堂でストーブに当たりながら待っていた。
「白鳥先輩...」
「もしかして、お姉さん...」
「いや、大丈夫っす。心配かけてすみません」
「その言葉俺だけじゃ足りないよ」
「えっ?」
「紗彩ちゃんにも言ってあげて。心配かけてないつもりでも、心配させちゃってるよ」
「そう...ですか...」
玲央の置かれている状況を知っているのは俺と沼口さんだけ。
そして、その状況が寮生の誰よりも深刻なのだ。
「おれ、紗彩にはいつか言わなきゃならないって思ってるんです。紗彩は...紗彩は特別だから」
「そうだな。ちゃんと言いたいことは言いたい時に言った方がいい。でないと手遅れになる」
俺が出来ることは後悔させないように道を示すこと。
それはここを去るまでにやるべきことだ。
提示した道を沿うも沿わないもあとは個人の自由。
だけど、やれることはやっていきたい。
後悔だけはさせたくないし、したくないから。
俺は最後まで寮長として皆を見守っていく。
18になった俺の覚悟だ。
続く...
俺は風呂に入ってからずっと食堂でストーブに当たりながら待っていた。
「白鳥先輩...」
「もしかして、お姉さん...」
「いや、大丈夫っす。心配かけてすみません」
「その言葉俺だけじゃ足りないよ」
「えっ?」
「紗彩ちゃんにも言ってあげて。心配かけてないつもりでも、心配させちゃってるよ」
「そう...ですか...」
玲央の置かれている状況を知っているのは俺と沼口さんだけ。
そして、その状況が寮生の誰よりも深刻なのだ。
「おれ、紗彩にはいつか言わなきゃならないって思ってるんです。紗彩は...紗彩は特別だから」
「そうだな。ちゃんと言いたいことは言いたい時に言った方がいい。でないと手遅れになる」
俺が出来ることは後悔させないように道を示すこと。
それはここを去るまでにやるべきことだ。
提示した道を沿うも沿わないもあとは個人の自由。
だけど、やれることはやっていきたい。
後悔だけはさせたくないし、したくないから。
俺は最後まで寮長として皆を見守っていく。
18になった俺の覚悟だ。
続く...