たとえばあなたのその目やその手とか~不釣り合すぎる恋の行方~
22.解決策
22.解決策

「なんだ、結局都も来たんだ」

ようやく通りを歩く坂東さんに追いついた私を振り返ると彼女はそう言って笑った。

「誰よりも本屋に偵察に行きたくてうずうずしているに違いない都が、どうして言い出さないのか不思議に思ってたのよね」

「実はずっとうずうずしてました。きっかけがなくて」

「はは。やっぱり?TUTA書房さんの電話はタイミングよかったわよね」

「ほんとに」

私は坂東さんと顔を見合わせて吹き出した。

「それにしてもさすが錦小路社長効果。TUTA書房もまさかここまで売り上げを伸ばすとは想像していなかったみたいよ。表紙に錦小路社長の名前を目立つように持ってきたのは正解だったわね」

「同感です」

「購入層も、若い女性から年配の男性まで幅広いみたい。これは相当売り上げを見込めるわ」

「ええ、この勢いに乗って次も読者を飽きさせない記事を載せていきましょう」

「うん、JOB♡JHOSHIは今日を持って生まれ変わるのよ!」

そう言いながら、坂東さんは肩を組んできた。

「もう!朝からお酒入ってるみたいですよー」

「今からでも飲みに行きたい気分だわ」

久しぶりに見る坂東さんの晴れやかな笑顔に気持ちが沸き立つ。

それにしても、礼さんが世間から注目されている人だとは感じていたけれど、これほどまでとは想像にも及ばなかった。

今更ながら、そんなすごい人に愛されていることが夢の中の出来事のようにさえ感じる。

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