たとえばあなたのその目やその手とか~不釣り合すぎる恋の行方~
それから更に十分程過ぎた頃だっただろうか、到着した電車から降りてきた人の波の中に山川さんの姿を見つける。
山川さんはすまなそうな顔で改札を抜け私の前にやってきた。
「申し訳ない。会議が長引いちゃって」
彼は頭を下げると、少し乱れた前髪をかき上げる。
「すみません、俺も便乗させてもらいます!」
突然そう言って山川さんの後ろからひょっこり顔を出した人物がいた。
山川さんと同じくらいの年齢で、ラフな黒いポロシャツの上からGジャンを羽織っている明るい髪色の男性だった。
明らかにサラリーマンではないような空気感をまとっている。
「あの、この方は?」
状況が違ってきたことに不信感を覚えつつ、山川さんに尋ねた。
「急なんですが、俺の元同僚で、つい最近までトップ・オブ・ジャパニーズフードに勤めていた岡山 智弘っていいます。今日この話をしたらどうしても付いてくるって聞かなくて。悪い奴じゃないので一緒に同行してもいいかな?」
正直、山川さんが同行することにも抵抗があったというのに、更にこんな得体の知れない人物まで。
坂東さんが言ってたように、そもそもこんな虫のいい話、もっと怪しんだ方がよかったんだろうか。
ただ、今ここで断定はできない。
中学時代陸上部で鍛えた脚力を信じて、もうしばらく様子をみてみるか。
だって、せっかくのチャンスなんだもの。もし、怪しい人物じゃなかったとしたらここで手放すのはもったいなさすぎる。
山川さんはすまなそうな顔で改札を抜け私の前にやってきた。
「申し訳ない。会議が長引いちゃって」
彼は頭を下げると、少し乱れた前髪をかき上げる。
「すみません、俺も便乗させてもらいます!」
突然そう言って山川さんの後ろからひょっこり顔を出した人物がいた。
山川さんと同じくらいの年齢で、ラフな黒いポロシャツの上からGジャンを羽織っている明るい髪色の男性だった。
明らかにサラリーマンではないような空気感をまとっている。
「あの、この方は?」
状況が違ってきたことに不信感を覚えつつ、山川さんに尋ねた。
「急なんですが、俺の元同僚で、つい最近までトップ・オブ・ジャパニーズフードに勤めていた岡山 智弘っていいます。今日この話をしたらどうしても付いてくるって聞かなくて。悪い奴じゃないので一緒に同行してもいいかな?」
正直、山川さんが同行することにも抵抗があったというのに、更にこんな得体の知れない人物まで。
坂東さんが言ってたように、そもそもこんな虫のいい話、もっと怪しんだ方がよかったんだろうか。
ただ、今ここで断定はできない。
中学時代陸上部で鍛えた脚力を信じて、もうしばらく様子をみてみるか。
だって、せっかくのチャンスなんだもの。もし、怪しい人物じゃなかったとしたらここで手放すのはもったいなさすぎる。