One but another One*
―世の中には天才と秀才が居ると思う。
学校には教師が130人ほど居たけれど、
其のうちの割合で天才が多い。
私立の学校側として
いい大学を出た優秀な先生は「売り」だ。
それもわかる。
だけれど、私が経験上で思うところ、
天才の先生は教え方が「下手」だった。
天才の先生は、
努力せずとも問題が解けたり暗記できてきた。
だから、
私たち生徒が「何を理解できないか」が「理解できない」のだ。
けれど秀才の先生は、
自分がわからなかったところがある分、
理解しようと努力してきた分、
それを私たちにわかりやすく説明してくれる。
だから秀才の先生の授業は本当に楽しかった。
どちらかといえば、私は秀才寄りの人間だったと思う。
どんなに頑張っても天才は超えられないと気づいた。
世の中には、見ただけで覚えてしまうような人間が居る。
掲示板に自分の名前がいくつ張り出されても、
その上には天才が居座っていた。