俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
プロローグ
プロローグ
「一か月後に綾花を抱く」
そう宣言された私は目をまたたかせた。
その言葉の意味を理解すると同時に、一気に頬が熱くなる。
「だ、抱くって……!」
驚きのあまり一歩後ずさると、背中が玄関の格子戸にぶつかってガシャンと耳障りな音が響いた。
その音の大きさが私の動揺を表しているようで、頬がさらに熱を持つ。
取り乱す私を見た彼――都築貴士さんは、愉快そうに形のいい唇を引き上げた。
彫が深い端整な顔をわずかに傾け、ゆるく波打つ前髪の間から黒い瞳でこちらを見つめる。
その表情が色っぽくて、首筋のあたりがぞくぞくと甘く震えた。
恋愛経験ゼロで、異性と手を繋いだこともデートしたことすらない私が、一か月後に目の前にいる彼に抱かれるなんて。
想像するだけで、心臓がものすごい勢いで早鐘をうちだす。