俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 シマノさんはじっと私を観察したあと、『仕方ないから少しだけなでさせてやる』と言いたげな表情でまた目をつぶった。

「よかったな。なでてもいいってお許しが出た」
「うわぁ、うれしいです……」

 感動しながらそっとシマノさんに触れる。

 柔らかな手触りに感激しながら綺麗な毛並みをなでる。
 彼女はしばらく険しい表情をしていたけれど、次第に慣れてきたのかゴロゴロとのどをならしはじめた。

 信じられない。
 ここに来てから二年間、触れるどころかシマノさんは私に近づきもしなかったのに。

 日当たりのいい縁側に貴士さんとふたり並んで座り、シマノさんを見下ろす。

 とても穏やかで静かだった。
 この時間が、永遠に続けばいいのにと心の中でひそかに願う。

 すると、目の前に影が落ちた。
 なんだろうと視線を上げると、貴士さんが縁側に手を付き、こちらに体を寄せていた。

「貴士さん……?」

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