俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 顔が近づく。恥ずかしくて私が体を引こうとすると、「動くとシマノさんが起きるぞ」とささやかれた。

 彼の膝の上には気持ちよさそうに眠るシマノさん。
 隣に座る私が動けば、彼女の眠りの邪魔をしてしまうだろう。

 私が素直に動きを止めると、貴士さんは微笑んでキスをした。
 唇が触れるだけの優しいキスだった。

 愛おしさが込み上げてきて、私は泣きたくなる。

 どうしようもないくらい、貴士さんのことが、好きで好きで仕方ない。





 


 翌朝、目を覚ました私はいつものように居間に行く。
 キッチンにはすでに朝食の準備がされていた。

 貴士さんの姿がないのは、毎朝の日課のランニングに行っているからだろう。

 彼にばかり家事をしてもらうのは申し訳なくて、もっと早く起きようとした日もあった。
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