俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「貴士さんって、ちょっと完璧すぎませんか?」

 私がため息をつくと、彼は首をかしげてこちらを見た。

「完璧?」
「社長さんで有能で見た目もよくて、その上料理もできちゃうなんて……」

 彼が作ってくれた朝食は、スープもサラダもものすごく美味しい。
 ランニングから帰ってきてから作ってくれたオムレツはとろとろの半熟だ。
 手慣れた様子でフライパンを振る姿がかっこよくて、見とれそうになった。

「そんなことない。ちょっと前まで料理はまったくやらなかった」
「そうなんですか?」
「でも、結婚したいなら料理くらいやれと言われて、厳しく鍛えられたんだ」

 なんでもないことのように口にした貴士さんの言葉に、一瞬手が止まった。

 いったい誰に言われたんですか? なんて聞くまでもない。

 考えてみれば、貴士さんが作ってくれる料理は洋食やイタリアンが多い。
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