俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「葛西先生、いいですね! この文字が大きく入ったパッケージがスーパーに並んだら、絶対に目を引きますよ」
「うん、本当に素敵です」

 口々にほめられ、うれしくなる。

「ありがとうございます」

 私が深く頭を下げると、課長さんが「そうだ」と手を打った。

「ちょうど農家さんが来ていたんですよ。見てもらいましょう」

 そう言って、壮年のご夫婦を連れてきた。
 彼らは小松菜を作っている農家さんだという。

「わぁ……」

 ふたりは色紙を手に取りつぶやくと、私の書いた小松菜という文字をじっと見つめていた。
 そのまましばらく沈黙がおとずれる。

 色紙と私を何度か見比べた後、ふっと表情をやわらげた。

「すごく、素敵ですね。文字から温かさや人柄が伝わってくる気がします」

 気に入ってもらえてよかった。
 ほっとして肩から力がぬけた。

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