俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

「実際に種を植えて収穫するまでの時間はほんの数か月ですけど、そこに至るまでには、途方もない努力と時間が隠されているんです」

　その言葉を聞いて、職員さんたちの表情が引き締まった。
　私の書いた色紙をながめ、ため息をつく。

「本当ですね。葛西先生にも農家のみなさんにも、もっと感謝しないと。改めて、素敵な文字をありがとうございます」

　深く頭を下げられて、私は慌てて首を横に振った。

「いえ、こちらこそ。こんな素敵な機会をいただけて、本当に光栄です。ありがとうございます」

「そんなそんな、こちらこそ」とみんなで頭を下げ、顔を見合わせてぷっと噴き出した。

　依頼されたときは私でいいのかと不安だったけれど、勇気を出してチャレンジしてよかった。
　感激で、胸が熱くなった。

　喜びと一緒に、もっと書きたいという欲が湧いてくる。

　もっとたくさんの人に、私の書を見てもらいたい。