俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「私と一緒で、貴士さんとすごすうちに、すっかり警戒心がなくなっちゃったね……」

 そう話しかけながら縁側に出てシマノさんの隣に腰を下ろす。
 シマノさんは迷惑そうにこちらを見上げたけれど、逃げ出しはしなかった。

「シマノさん。貴士さん、明日東京に帰っちゃうんだって」

 言葉にすると、彼との別れを実感する。
 こみあげてきた涙を必死にこらえていると、シマノさんが起き上がった。

 一歩こちらに近づき、私の腕にこつんと頭突きをした。
 そして、そのまま額をこすりつける。

 まるで私をなぐさめるようなその仕草に、驚いて瞬きをした。

 その拍子にぽろりと涙が一粒こぼれおちる。
 堰を切ったように涙があふれだし、こらえきれなくなってしまった。

「シマノさんも、さみしいよね。貴士さんがいなくなったら……」

 つぶやきながら両手で顔を覆うと、シマノさんが急に後ろを振り返った。
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