俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　強引な彼に流された部分もあるけれど、私が拒めなかったのはどうしようもなく貴士さんを好きだったからだ。

「それに、多少でも好かれている自覚がなかったら、強引に同居を持ちかけたりしない」

　同居前からバレていたなんて。今まで私が必死に隠してきた努力はなんだったんだろうと頭を抱えたくなる。

「じゃあ、私が貴士さんを好きだってわかっていて、からかって振り回していたんですね」

　ひどい、とつぶやくと、貴士さんが首をかしげた。
　抱きしめていた腕を緩め、私の顔をのぞきこむ。

「からかうって、どういう意味だ」
「だって、好きでもない相手をあんなに甘く誘惑したり、優しくはげましたりするのはずるいです。だめだってわかっているのに、どんどん貴士さんを好きになって苦しかった。どんなに好きになっても、貴士さんが愛しているのは私ではなく姉なのに……」

　言いながら胸が引き裂かれるように痛んだ。