俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 私の言葉に、貴士さんは視線をあげ首をかしげた。

「今から抱いてくれって?」
「違います!」

 いたずらっぽく微笑まれ、慌てて否定する。

 姉は酔っぱらってもう寝ているとはいえ、同じ屋根の下にいるのに、そんなことできるわけがない。

「貴士さんは東京でお仕事があるのに、これからもここで暮らすんですか?」

 気を取り直したずねると、貴士さんは目元をゆるめて微笑んだ。

「綾花はここを守りたいんだろう?」

 たしかに、この家を守ってくれという祖父との約束は守りたい。
 だけど、それじゃあ貴士さんばかり負担が大きくなってしまって申し訳ない。

 その迷いを感じ取ったのか、貴士さんは黙り込んだ私を抱き寄せた。

「いいよ。綾花を幸せにできるなら、なんだってする」

 愛おしさがこみあげてきて、貴士さんの肩にしがみつく。
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