俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

『私、電車の中でネットニュースを見て知ったんだけど、高速道路で大きな事故があったのよ。もしかしたら、貴士の車が巻き込まれているんじゃないかって心配になって』

　そう言われ、目の前が真っ暗になった。
　持っていた受話器が急に重くなったように感じる。

「た、貴士さんに電話を……」
『スマホにかけたけど、繋がらないの。電源が切れてる』
「そんな」

　貴士さんになにかあったんじゃ……。最悪の事態を思い浮かべて、恐怖で足が震えだす。

『連絡がないなら、とりあえず綾花は待ってて。こっちでも色々調べてみるから』

　そう言われ、ぼうぜんとしながら受話器を下ろす。
　チン、と小さな音を聞いた途端、体から力が抜けた。
　そのままへなへなと崩れ落ちると、玄関にいた中村さんが心配してかけてきた。

「綾花さん、どうしたんですか？」