俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 観光案内所になっている居間や縁側、そして庭では、旅行でやってきた家族連れや、地元の人たちがくつろいでいた。

 私がパッケージの文字を担当した特産品のブランド化は好評で、全国あちこちのお店で売られていた。
 そのおかげで町の知名度も上がり、観光客も増えているそうだ。

 私がひとりで住んでいたときよりも室内が明るく感じるのは、祖父の希望が叶って家が喜んでいるからかもしれない。

「綾花先生ー!」

 元気な声が聞こえふりかえると、書道教室の生徒だった斗真くんがいた。
 お友達と観光案内所に遊びに来たのか、数人の小学生の集団の中から抜け出してこちらにかけてきた。

「綾花先生、俺がプロポーズしたのにほかの男と結婚して東京にいくなんてひどいよ!」

 そんな苦情に私が謝ろうとすると、隣にいた貴士さんが私の腰を抱き寄せ勝ち誇る。

「綾花はもう俺の妻だから諦めてくれ」
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