俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 この同じ屋根の下に、貴士さんがいるんだ……。
 そう思うと、少し緊張する。

 廊下に出て、耳を澄ます。
 貴士さんの寝ている部屋から人の気配はしなかった。

 まだ寝ているのかな?と首をかしげてから、寝てるに決まってるか。とひとり結論を出した。

 貴士さんは、東京で活躍する有能なイケメン社長だ。
 普段は煌びやかな都会の夜の街で、セレブな友人たちと遅くまでお酒を飲んだり遊んだり……、なんて生活をしているだろうから、きっと夜型に違いない。

 ほっと胸をなでおろしながら洗面所で顔を洗う。

 まだ彼と同居する心構えができていなから、朝目覚めてすぐに顔を合わせでもしたら緊張して言葉が出なくなりそうだ。

 彼が起きるまでに朝食の支度をしながら、心の準備をしておこう。

 居間に入り庭に続く格子戸を開けると、庇の向こうは春の光にあふれていた。

「今日もいいお天気」

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