俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 授賞式が終わった後、綾花に直接お祝いの言葉を伝えたいと控室を訪ねると、廊下で綾花が立ち尽くしていた。

 なにがあったんだろうと近づく。
 控室の中ではほかの受賞者たちが綾花の批判をしていた。
 何の根拠もない妬みや嫉みの言葉が飛び交う。

 それを聞いた綾花は、傷ついた表情を浮かべ手のひらをきつく握りしめていた。

 思わず後ろから抱きしめ『気にしなくていい』と声をかける。
 突然現れた俺を見て、綾花は瞳をうるませた。

 大きな黒い瞳に涙が浮かぶ。
 数年前に見たときと同様、涙を浮かべる綾花はぞくっとするほど綺麗だった。

 このまま彼女を連れ去って、腕の中に閉じ込めてしまいたいと思った。
 ほかの誰も彼女を傷つけない場所で、かわいがって甘やかしてやりたい。
 そんな欲望が沸き上がる。

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