荒野を行くマーマン
勝手にあれこれ想像して無駄に身構えていた自分が恥ずかしい。
そんな風に自己反省しつつ私はその後も順調に研修メニューを消化して行ったのだった。
「時間ですね。ちょうどキリも良いみたいだし、今日はここまでで終わりにしましょう」
定時の18時を迎えた所で、プリントアウトした書類をファイリングしてくれていた魚住君に声をかけた。
最近の複合機はお利口さんで、出力だけでなく製本まで完了してくれる機能が付いていたりするけれど、ホチキスの針では到底カバーできない枚数(厚さ)にまでなってしまったり、そもそも最初からそれを目的としていない資料も当然ある訳で、まとめるのにはやはり人間の手が必要である。
オフィス機器は日々進化を遂げているけれど、だからといってそこに搭載されているすべての機能を網羅できているかといったらそういう訳でもない。
どれだけ時代が移り変わっても「事務員」の仕事内容にさほど大きな変化はなく、アナログな作業が必要な…というか、あえてその工程を残している場面は多々あるのだ。
社会に出てから身を持って実感したことだ。
学生時代はあれこれ過剰に想像してしまっていたけれど。
全てが機械化され、ペーパーレス化されたハイテクなオフィスで、タブレット片手に華麗にスマートに業務をこなしている自分の姿を想像していたけれど、勤務初日に支給されたホッチキスやのりやセロテープ等の文房具を見て「あ、今でも普通にこういう物を使うのね」と一気に現実に引き戻された。
と同時に心底ホッとしたりもしたけれど。
「なんやかんやいってもやっぱり最終的に必要なのは人間の手」という、揺るぎない事実を提示されたような気がして。
そんな風に自己反省しつつ私はその後も順調に研修メニューを消化して行ったのだった。
「時間ですね。ちょうどキリも良いみたいだし、今日はここまでで終わりにしましょう」
定時の18時を迎えた所で、プリントアウトした書類をファイリングしてくれていた魚住君に声をかけた。
最近の複合機はお利口さんで、出力だけでなく製本まで完了してくれる機能が付いていたりするけれど、ホチキスの針では到底カバーできない枚数(厚さ)にまでなってしまったり、そもそも最初からそれを目的としていない資料も当然ある訳で、まとめるのにはやはり人間の手が必要である。
オフィス機器は日々進化を遂げているけれど、だからといってそこに搭載されているすべての機能を網羅できているかといったらそういう訳でもない。
どれだけ時代が移り変わっても「事務員」の仕事内容にさほど大きな変化はなく、アナログな作業が必要な…というか、あえてその工程を残している場面は多々あるのだ。
社会に出てから身を持って実感したことだ。
学生時代はあれこれ過剰に想像してしまっていたけれど。
全てが機械化され、ペーパーレス化されたハイテクなオフィスで、タブレット片手に華麗にスマートに業務をこなしている自分の姿を想像していたけれど、勤務初日に支給されたホッチキスやのりやセロテープ等の文房具を見て「あ、今でも普通にこういう物を使うのね」と一気に現実に引き戻された。
と同時に心底ホッとしたりもしたけれど。
「なんやかんやいってもやっぱり最終的に必要なのは人間の手」という、揺るぎない事実を提示されたような気がして。