タイトルはまだありません。
(ここ、どこ?車の中??運転してるのは、準くん??)
私は後部座席に座っている。ふと顔をあげてミラーを見ると、準くんは笑っていた。だけど、私の心はなぜかモヤモヤしている。なぜだろう。
(準くんが笑ってる!)
私も笑った。その時、ピーッという音が私の頭の中に響いた。
(はっ!!)
目を開けると、そこは車の中ではなく、見慣れた自分の家のベッドの上だった。先程の事が夢だと気付いた私は、絶望した。
(昨日のことは夢じゃないんだ、私、準くんとほんとに別れちゃったんだ。)
そう、私は昨日、1年間付き合っていた準くんに振られたのだ。元々、性格が合わないと思うところはあった。それでもお互い気を付けながら、ここまでやってきたのだ。喧嘩をして何度か話し合ったこともあり、その時は私も準くんに対して不満はあったが、大好きだった。なのに昨日突然、準くんから別れを告げられた。私に対する気持ちがない準くんを引き止める術はなく、私は別れを受け入れた。初めて本気で愛した人に振られたときの絶望を、私は初めて味わったのだった。
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop