好き、ではない。
「あれーー今日ってなんかあったような」
駅まで30分もある道のりを歩いてた中、
ふと今日の予定が頭によぎった。
土曜だからバイトはないけどーーー
「あー!!」
14時から毒舌友達とランチだ!!
だけど、全然間に合う。よかった。
市内に行くからさすがに後で化粧しよっと…
ーーーー
「さては男の家から来たなてめぇはよぉ!」
いや、何も言ってないのにどうしてわかるねん。
後、口悪すぎやろヤクザかて。
しかも、駅の改札でまぁまぁ人に聞こえる声で…
「ま、間違ってねぇっす、姉さん」
高校が同じで姉御感満載な瑠美。
名前と顔は可愛いのに超サバサバ。
とにかくギャップがすごい。
こんな顔して男いりませんタイプ。
んーカッコイイ。
「次は捨てられたらあかんぞぃ!」
「捨てるも何も、今回は確実なセフレや」
「好きとか思わんの?今回は」
“好き”ねぇ。
「ないなぁ…向こうもないしな」
「いや、今ちょっと考えたな。ちょっとはあるな」
「深堀りせんでええ!…まぁ2回目やったしわからんわ」
超ジロジロ見てくるやん、瑠美ってば。
「超恋愛体質な麻美はどうかねぇ。イケメンで相性良かったら好きなってまうかもやで」
うん、間違いない。
もう思ってるもん、正直。
嫌いなところはあるにしても、
また会いたい思ってしまってる。
「だけど、セフレから彼女は難しいもんねぇ。所詮、彼氏欲しい男に依存する寂しいタイプや」
瑠美さん、ほんと、毒舌ですね。
事実なんすけどね。