1年越しの花を貴方に
僚太とは付き合って9ヶ月ほどになる。

高校は違うが、1ヶ月に2、3回会う時間をお互いにつくっているため、何事もなく仲良くやっている。

本当に優しくて、気遣いのできる素敵な人だ。

彼は私を好きでいてくれている。
そして私も、彼のことが好きだ。


―――きっと、多分。好きだ。


早く帰ろう。

そう思い立って、雨の中を傘もささずに走って帰った。

何となく、そうしたい気分だった。

雨が自分の感情をまっさらに流してくれたらいいのに、なんて馬鹿馬鹿しいことを考えながら走った。


雨の冷たさが心地よかった。

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