Last note〜バタフライ編
田辺「奴美ー!!」

クロハ「……っはぁーっ!!」

クロハが田辺さんの首に掴みかかり、
レスリング技をかけた!

田辺「ぐあっ!?たんまたんま!!」

クロハ「観念しろ!!」

奴美の周りには煙があがり、ぴくりともしない。

田辺「わかった!クロハ!おまえを解放するから!!もう何処にでもいけ!
頼む!…もう、離してくれ……」

クロハ「父さん…っ……?」

クロハの力が緩んだ。
だが、烏丸は田辺さんのニヤリと笑った口元を見逃さなかった。

烏丸「あかん!クロハ!……」

ズバッっっ!!!

クロハ「………っっ!?……ゴホッ!」

田辺さんのストレートパンチが、
クロハの腹に入って、血を吐いた。

攻撃性の強い"battle"のパンチなら、骨も幾つか折れてるだろう。

烏丸「クロハー!!」

田辺「ふふふ…裏切り者はもういらぬ。
水龍様の眠るこの滝で、永遠の眠りにつくがいい!!」

クロハ「…とう……さん…っ。//」

涙が滲む……裏切ったのは自分かもしれない………だけど……

こんな時に限って、
愛されてた気がした記憶が蘇ってくる…。

ーーーーーー
"クロハ、どうして泣いている?"

"学校でいじめられたんだ…僕が…怪物だって……違うのに…"

"クロハは、優しい人間だな。
父さんはおまえの味方だ!
血は……繋がっていなくともな…"

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