Last note〜バタフライ編
烏丸「諦めーや。あんたにとっちゃあの絵を持ってても、豚に真珠。
あんたが持つべきものちゃうで。」

青山「書いてくれますね?」

渋々、和泉さんはサインすると、
ポツリと言葉を零す。

和泉「……あげはちゃん、元気なの?」

青山「はい。どこにいるかは、教えられませんが無事です。クロハくんも。」

烏丸「そういやあんた、陰松さんを刺殺後、あげはちゃんに催眠かけたんよな?
記憶の改ざんとして。」

和泉さんは思い出し、
サインを描き終えると泣き出した。

和泉「でも……あの子ったら…。」

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"いい?
私をここで見た事は忘れるのよ?"

"おねーさん、おじさんを…刺したのに"

"……?"

"どーしてそんな、悲しい目をしているの…??"

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和泉「………いえ、なんでもないわ。」

和泉さんは語らなかったが、
悲しい匂いの中に、かすかに、

あげはへの愛情の匂いが、した……。

和泉「どんなに欲しいモノを手に入れても、
満たされなかったわたしの心の匂いでも、したのかしらね…。」


それからはもう、和泉さんは大人しく収監されて行った。

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