Last note〜バタフライ編
矢崎「あげはちゃん…?」

あげは「凄い…です。私はきっと、記憶喪失になる前は、料理出来なかったんだろうって…思いました。」

矢崎「まぁ誰でも得意不得意はあるしね」

あげは「…お姉さん、は…優しいです。」

矢崎「んー?どうしたの?突然。」

あげは「……それから、他の皆さんも。
何処の馬の骨の子かも…知らない私に…優しく、してくれる…っ。」

矢崎「…嬉しいのね?」
(その言葉、さっきドラマで言ってたなw)

あげは「……昨日、寝る前にわたし、あの部屋の匂い…視たんです。」

矢崎「!」

あげは「警部さん達が…私の、話をしてたのが、視えました。」

矢崎「あちゃー…」

あげは「…でも、私の事を考えてくれてた。だから、皆さんは優しいです。」

あげはは、胸に手を添え、気持ちを抱きしめた。

あげは「……部屋の、少し埃っぽい匂い。ブラインドからさす、太陽の匂い。
それから…私と同じ人のスーツの匂い。」

矢崎「……っ//」
(ほんとに…"Last note"持ちなんだ。)

あげは「もしかしたら、私の過去は黒死蝶みたいに深く、恐ろしく悲しい事を経験してるかもしれません。でも……
あの時の匂いは、とても…温かかった…です。///」

矢崎「あげはちゃん…。」

じーんときた矢崎さんは、
あげはちゃんの手を握った。

矢崎「記憶…取り戻そう。
ゆっくりでいいから…。
皆、あげはちゃんの為に、
頑張ってくれてるよ…。」

あげはは、その手を握り返し、
こくんと、頷いた…。
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