Last note〜バタフライ編
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その夜……。

烏丸「あーくっそ!!」

ガンッ!カラカラカラ……。

CSSに戻る途中の青山と烏丸。

青山「こら、物に当たるな。」

烏丸「せやかて青山!俺ら何回、"jump"のやつとり逃しとる思ってんや!?
3回目やで!?モーちょい焦らんかい!」

青山「でもなぁ…あんだけ身動き速い上に、特性使われたら困る。」

烏丸「おまえがさっさと"魔性"かけへんからやろー!?」

青山「効く範囲があるだろ。
中途半端にかけるのは逆に危険でよくない。」

烏丸「やからってなぁー!?
"jump"自体はそんな有害やないけど!
あいつは連続強盗犯で、人1人死なせてるんやで!?」

青山「それは、そうだな。」

今2人が追っているのは、
始まりは連続強盗事件だった。

だが、3件目の宝石店でついに、
人質にしていた男性職員を死なせてしまったのだ。

何年もCSSで仕事をしていても、
たまに、自分の特性に自信を失くす。

烏丸「なんやねん、その目ぇ。
しっかりせぇ!」

青山「!…悪い。」

烏丸「またしょーもない事考えとんとちゃうかぁ?そんなしょげる暇あんのやったら、ちっせぇ脳みそ使えっつの!」

青山「……っ。」

フルフルっと、口の悪い烏丸に怒りが込み上げたが、なんとか抑えつけ堪えた。

烏丸「お、じゃがいものえぇ匂いするな。
今夜は肉じゃがでも、作ったかー?」

CSS事務所の下で、漂ってくるご飯の優しい匂い。

ツン……。

青山「………ホントだ。一緒に、作ったんだな。」
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