Last note〜バタフライ編
青山は、じゃがいもの温かい匂いで、

矢崎さんとあげはが一緒につくるビジョンを視た。

青山(そうだ…凹んでる場合じゃない。
俺は、あの子の記憶の匂いも、探してあげないとなんだから…。)

ーーーーーーー

青山「これ、今日唯一得た、"jump"の手がかりです。」

青山は証拠品を難波さんに提出した。

難波「…黒い手袋か。
ちなみにこれは嗅いだか?」

"jump"が現場に落として行ったものだ。

青山「はい…ひどい金への執着の匂いでしたよ。錆びた匂いが鼻につく…」

テーブルで肉じゃがを食べていたあげはが立ち上がり、とことこと寄ってきた。

そして、青山の真似をするかのように、
その手袋の匂いを嗅いでいる。

難波「指紋採取はできそうだな。
本部に預けて、俺はそのまま帰る。」

青山「分かりました。…あげはちゃん?」

あげは「クンクン…」

難波「こら。これは事件の重要証拠品だからな。あげはちゃんは、嗅がなくていい。」

あげは「……しょぼん。」

難波「えっ?!…あーいや、怒ってないからな?ただ、事件に巻き込む訳には行かない訳で…」

みんな、あげはの一喜一憂に弱い。

矢崎「クスクスっ!うちの娘と歳が近そうだからなーあげはちゃん。」

旦那の躊躇う様子につい笑う。

烏丸「もうそんなっすか?高校生でしたっけ?海香(ウミカ)ちゃん。」

矢崎「うん、こないだ空手の都大会で優勝だよーさすが私達の娘♡!」

烏丸「可愛い顔して筋肉すげぇっすもんね。もぐもぐ…」

青山「てか!烏丸は何で食ってるんだ!
家で莉香さんの飯があるだろ!」
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