Last note〜バタフライ編
ーーーーーーー

川の向こうを渡ると、ほんとに別荘が何軒か見えてきた。

青山「あった…少し空気が変わったね。」

あげはは、青山の手をしっかり握り、きょろきょろしている。

しかしさっきの別荘地の雰囲気よりも、静かで、どこか寂しげな雰囲気がある。

青山「人気があまり無いな…。」

烏丸「現場が近いな。確か資料だと…この先の…泉に近いな。」

あげは「泉……?」


「わっ!?ビックリした…」

青山「!?」

3軒目の別荘から出てきた女性が、皆に驚いた。

女性「ごめんなさい!まさか、旅行者がこっちに来てると思わなくて。」

青山「あ、いえ…すいません、画家の方の別荘を探してるんですが…」

女性「あ…それならこの裏手よ。
でも…先月そこの主が亡くなったから、誰もいないと思うけど。」

烏丸「あざーっす!お姉さん美人っすねー!」

女性「まぁ…///」

矢崎「何ナンパしてんのよ…」

歩いていくと、森に馴染むようなモスグリーンの家が出てきた。

矢崎「なんか…ちょっと気味悪いね。」

烏丸「バラの弦か…いてっ!」

あげは「薔薇…?」

ズキッ!!ツン……。

あげは「ぅっ…///!?」

頭痛がした。ツキツキと痛む。

その時、青山が匂いを感じた。
< 56 / 165 >

この作品をシェア

pagetop