Last note〜バタフライ編
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バラの匂い……。

弦で怪我した指。血の匂い…。

キャンパスに擦る…。

ジャリ……。

土の塗れた靴の匂い…。

"あげは……どうした?"

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あげは・青山「はっ!!///」ビクッ!?

烏丸「…二人とも視えたんか?」

矢崎「何が視えたの?」

青山とあげはは、顔を見合わせていた。

あげは「…わたし、この家で絵を描いてたんだ。」

青山「そしたら、誰か来て…。
あの靴音は誰……?もしかして」

あげは「おじさん……私の……
……………おじさんっ!!」

あげはの瞳は潤んでいた。

烏丸「叔父さん?親戚って事か?」

あげは「……中に入らなくちゃ!//」

あげはが、走り出した!

青山「あっこら!走ると危ないぞ!」

矢崎「あげはちゃんの記憶が、少しずつ戻ってきてるわね。」

家の大きな扉を開けようとしたが、
鍵が閉まっていた。

青山「やっぱり中には入れないか?」

だが、あげはが玄関の左側にあった花壇を漁り、鳥モチーフになったオブジェの穴から、鍵を取り出し、ドヤ顔した。

烏丸「そんなとこに…なんや、秘密基地みたいやな。」

あげはが鍵を開けると、青山と一緒に扉を押した。
重い音がギシリと鳴る。

そして扉を開けると、

青山とあげはに、一気に匂いが
津波のように、押し寄せたのだ…。
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