Last note〜バタフライ編
ーーーーーー
あげは「ぁあ…ぁあぁあ…!!
クロハ……クロハっ!!//」

水槽の前で崩れ落ちるあげは。

矢崎「あげはちゃん!!」

青山「これは!!…クロハか!?」

ツン…。

ーーーーーーー

薬品の匂い。

クロハの涙の匂い。

"嫌だ!あんたらの為に実験体になるくらいなら死んだ方がマシだ!!"

"そんな訳ないさ。"
"これでもっと、強くなれるんだぞ…"

ゴポゴポ…!!ーーーーーーー

青山「うっ!?」
(息が…苦しかった。そうか、クロハは実験体としてこの水槽に…)

矢崎「あげはちゃんも多分、同じ匂いを視たのよ…。」

あげは「辛かったね…私が…忘れてたから、ごめんね…すぐに出してあげるから…」

あげはが水槽に登り、クロハを助けようとする。

矢崎「待ってあげはちゃん!!
ちゃんと手順を踏まなきゃ!!
クロハくんが苦しいよ!?」

あげは「……っ!?」

矢崎さんが、クロハを水槽から少し出し、酸素ボンベを外した。
そして青山が、彼についていたチューブの元の機械の電源を切った。

床に寝かされたクロハは、眠っているようだった。

あげは「クロハ!クロハ起きて!?//」

ペちペちと頬を叩いていると、
こほっと咳を零し、やがて目を開けた。
< 90 / 165 >

この作品をシェア

pagetop