蓮華草
青年はカーテンの中で新しい制服に着替えると、着ていた制服を先生に差し出す。

「あ、あの!」

慌てて立ち上がると、彼は私の肩に手を添えて体を支えてくれた。
関わりたくないとはいえ、
助けてくれたのにお礼も言わない程子供じゃない。
青年に向き直って軽く頭を下げた。

「いいんだよ、君が悪い訳じゃないんだから」
「でも、ありがとうございました。
お陰で助かりました。
すみません、制服を汚しちゃって......」
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