蓮華草
その優しさゆえに昔から付けこもうとしてくる人が多く、それから私が庇っては怪我を負うたび、こうやって涙を流していたっけ。

今回は春の事だったが、
それでも私を守りたいと思ってくれているのにまた彼女の優しさを感じる。

「その傷、どうしたの」

騒ぎを聞きつけた春と大輝が息を切らして私を見つめた。
言い訳しようにも傷を隠しきれず、
何も言わない私の代わりにすぐ側で見ていた真昼が腫れた瞼をさすった。
< 27 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop