蓮華草
静まり返った保健室で声を上げた大輝に
春は困ったように眉を下げ、
青年の肩を軽く叩く。

「大輝、お前は何も悪くないだろ。
俺の方こそ、ずっと言えなくてごめん。
怖かったんだ。本当の事を言ったら、皆が離れていきそうで。
だから謝るのは俺の方」
「全部自分が悪いみたいに言うなよ......」

力無く垂れた友人の手に
春も項垂れる。

「で、でもっ話してくれて嬉しかったです!」
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