蓮華草
青年が指を指した場所には
辺り一面の田んぼと紫色の花々が咲き誇っている。
遠目から見ると、何の花か分からなくて首を傾げた。

紫雲英(げんげ)、だよ」

紫雲英?確か蓮華草の事だったっけ?
また首を傾げた私の姿を
春は明るく笑い飛ばした。
む、そこまで笑わなくたっていいじゃない。
軽く睨むと"ごめんごめん"と全く申し訳なくなさそうに青年はまた笑う。
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