蓮華草
その言葉にまた心臓が跳ね上がった。
何を意識しているんだろう、
1人で舞い上がって、バカみたい。
これは花の話だ。
私の話じゃない。分かっているのに、
青空を仰ぐ青年の姿に惹かれて何も言えない。

「花にはね、色んな意味があるだろう?
花言葉だったり、名前の由来だったり
色だったり。
それを考えるのがとても楽しいんだ。
渡す相手は、居ないんだけどね」
「じ、じゃあ、私が貰うよ」
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