蓮華草
その行動の意味が分からずに戸惑っていると
彼は1度立ち上がって私の肩に手をかけ、同じように座らせた。

「どうしたの?」

なにか話したい事でもあるのだろうか
なにか聞きたい事でもあるのだろうか
それとも忘れ物?
首を傾げる私の頭を、大きな手のひらが優しく撫でる。

「"消えたい"なんて思わないでくれよ?」

見透かしたようなその言葉に唇を噛みそうになる。
なんで気づいてくれるの、
私の想いには気付かないくせに。
心の中で悪態をついた。
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