蓮華草
なんだ、そんな所までそっくりなのね、私達。

「春は不思議だね。
どんなに暗い記憶も、春にかかればそのまま名前みたいに明るくなるんだもん」

そして私は春のそんな所が好きなんだ。
胸の中にあったしこりが彼の笑顔の前に、消えていくような気がした。

「美蓮だって俺にとってはそんな存在だよ?
だから、ありがとう。
俺と出会ってくれて。消えないでいてくれて」
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