蓮華草
ぱっと握り返された手のひらの体温すらも、愛おしい。
早く、この気持ちに素直になれたらいいのだけれど。
中々そうはなれそうにない。
天邪鬼な気持ちを抱えて、今度は春と一緒に歩き出す。
時々、空を見上げては星の話をしてくれたり
暗闇に浮かぶ小さな花を見つけては
それの花言葉を教えてくれたり
しりとりをしたり
たわいもない会話が楽しくて、嬉しくて。
この時間がずっと続けば良いのにと心から願った。

「ありがとう、春」
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