蓮華草
その口調は相変わらず落ち着いていて
柔らかくて優しかった。
私は意を決して制服の内ポケットに入っている栞を取り出してブロックに登ってきた春の掌にそれを押し込む。
栞を見た春の瞳が静かに見開く。

「3つ目の花言葉
"あなたと一緒なら苦痛が和らぐ"
だったよね?私ね、春といると楽しいよ。
春と出会って、色んな事を話し合って
今までの肩の重さが冗談みたいに軽くなっていったの。
真っ暗だった世界に、鮮やかな色をくれたの
だから、ありがとう」
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