蓮華草
頭の中が疑問で埋め尽くされていく。
困惑して固まってしまった私の肩を青年がそっと抱き寄せた。

「っ......春?」
「俺、美蓮の事が好きだよ。
前は恥ずかしくて誤魔化しちゃったけど、
ごめん、急にこんな事言って。
でも、今言わなきゃ後悔するって思ったんだ」

突然の告白に心臓が高鳴った。
中々状況が呑み込めないまま、
青年の背中に腕を回して、愛おしい体温を抱きしめる。

「わ、私も、私も。春のことが好き」
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