蓮華草
思わず後ずさりした私の肩を逃がさないとばかりに掴む。
痛みこそないものの、酷い圧迫感。
それだけ力が込められていると言う事だ。

「俺がっ俺が悪いんだ!
俺の自信がないだけで、美蓮は何も悪くないのにっ
あっごめん!!!」

ぱっと肩を離されたかと思うと
今度は包み込むように抱きしめられる。
温かな体温が、
冷たい風にさらされた体を確かに温めていく。
< 95 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop