ByeBye
恵さんが亡くなってから1週間。
その日あたしは、友達と繁華街の近くのお店に行っていて、「今から帰る」と柚生に連絡すると、危ないからと言って迎えに来てくれた。
それまで柚生は樹と一緒だったらしく、彼も一緒に迎えに来てくれた。
3人で繁華街を歩く。時計の針は21時を指していた。
すると、不意に後ろから声がかかった。
「君たち、かっこいいね?」
「…は?」
振り返ると、スーツを着た男の人が2人。特に怖そうなイメージは持たなかったけど、なんとなく…チャラそうだった。
「…なんですか、」
「あ。怖がらないでよ、怪しくないちゃんとしたとこだよ」
そう言って1人の男がおもむろに名刺らしきものを取り出した。そこには、彼の名前と、ホストクラブと思われる住所が記載されている。