ByeBye





「君たちの容姿なら、結構すぐ稼げると思うよ?」



男は柚生と樹を舐めまわすように見てそう言った。




こっちはまだ高校生だっていうのに。
制服着てるのに、わかんないの?




「…間に合ってま、」



あたしの心を読んだかのように、柚生が言葉を発しようとした時だった。





「…これって、すぐできますか」



隣から聞こえた彼の声。バッと樹を見ると、彼は無表情のまま名刺を受け取っていて、スマホを取り出して連絡先を交換しようとまでしていた。



「何言ってんの樹、」




柚生とあたしの声が重なる。




そりゃそうだ。

断ると思ってたのだから。ていうか、そんなの普通スルーするでしょって。
いくら男だっていっても、身体売るような仕事だし。



…それなのに。




「このチャンス無駄にする方が馬鹿じゃん」


< 110 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop