ByeBye
「君たちの容姿なら、結構すぐ稼げると思うよ?」
男は柚生と樹を舐めまわすように見てそう言った。
こっちはまだ高校生だっていうのに。
制服着てるのに、わかんないの?
「…間に合ってま、」
あたしの心を読んだかのように、柚生が言葉を発しようとした時だった。
「…これって、すぐできますか」
隣から聞こえた彼の声。バッと樹を見ると、彼は無表情のまま名刺を受け取っていて、スマホを取り出して連絡先を交換しようとまでしていた。
「何言ってんの樹、」
柚生とあたしの声が重なる。
そりゃそうだ。
断ると思ってたのだから。ていうか、そんなの普通スルーするでしょって。
いくら男だっていっても、身体売るような仕事だし。
…それなのに。
「このチャンス無駄にする方が馬鹿じゃん」