ByeBye
"親友"から始まった私たち。
"親友"に縋り続けた私たち。
貴方が私のためについた嘘。
私が貴方のために流した涙。
「────…有那が好き。俺と、付き合ってください」
全部、無駄じゃなかったって、今ならそう思える。
欲しかった言葉。欲しかった温もり。欲しかった"彼"。
「…はい…っ」
ぐちゃぐちゃの顔なんか、どうでもいい。
そんなこと忘れるくらいに、彼の言葉は何度も何度も私の頭の中を響いた。
抱きしめるが強くなる。それに応えるようにぎゅっ、と抱きしめると、彼はまたさらに強く抱きしめた。
「…っく、苦しいよ…っ」
「はは、ごめん」
「…鼻水、いっぱいついちゃった」
「有那のならいくらでもつけてよ」
微笑む彼の笑顔がたまらなく愛おしい。